倉持 宗起 KURAMOCHI Muneki筑波大学

D13kuramochimuneki

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春の歌
書/墨、彩箋
14.8 × 12.6 cm、13.8 × 13.1 cm、13.7 × 25.9 cm

2014年

作家からひとこと:

三色紙(継色紙・寸松庵色紙・升色紙)の様式に倣って、『古今和歌集』巻二・春歌下の所収歌より3首(69番歌・よみびとしらず、89番歌・紀貫之、129番歌・清原深養父)を書きました。69番歌の作品(本紙:藍色)には、継色紙の冒頭部らしく、部立て「春下」を添えました。また、古筆切の雰囲気を求めて、表具師の方に古色染めをしていただきました。
経歴

1986年 生まれ
2009年 筑波大学 芸術専門学群美術専攻 卒業
2011年 「高野切本古今和歌集」復元全巻完成記念展(筑波大学総合交流会館/茨城)
2014年 倉持宗起書作展(茨城県つくば美術館/茨城)

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倉持宗起書作展
紙本墨書、彩箋墨書、巻筆

2014年


Q&A

Q あなたにとって大切な本・映画・音楽があったら教えてください。
A 私の好きなドラマーに神保彰氏というアーティストがいます。神保氏は、オリジナル曲の他、クラシック音楽からポピュラー音楽まで、幅広い楽曲をカバーしています。他人の楽曲でありながら、自分の「音」を奏でることができる神保氏のアレンジの数々に感銘を受けています。書においても通じるものがあるように感じ、自分の作品と照らし合わせながら音楽を鑑賞しています。
Q アーティストを目指すきっかけはどんなことでしたか?
A 私は、自分がアーティストという意識はありませんが、大学3年の夏、「高野切本古今和歌集」復元の推敲を重ねる中で、単に倣書をするのではなく、高野切を書写した当時の筆者になりきって書くという考え方に出会いました。以後、書の奥深さに魅了され、現在があるように思います。
Q 制作するときに欠かせないものはありますか?
A 「巻筆」(穂の根元に和紙が巻かれている筆)という製法の筆です。奈良時代あたりから伝わるものですが、現在はほとんど使われなくなってしまいました。この筆の可能性を探るべく、毛の種類や穂の長さなどが異なる巻筆を職人さんに製作していただき、書作を試みています。巻筆の特性を活かした書風とはどのようなものなのか、先人が残した遺品を頼りに模索しています。
Q 同じ世代のアーティストについて、どう感じていますか?
A とても刺激を受けています。特に、他分野の友人との会話の中で、芸術に対する新しい見方や考え方に気づかされることが多々あります。こうした友人との時間は、私にとってかけがえのないものになっています。大学で様々な分野の仲間と出会えたことを幸せに思っています。
Q 10年後のあなたについて空想してください。
A 今年(2014年)、初の個展を開催しました。10年後に再び、一歩前進した自分の作品を発表したいと思っています。先人の書を手がかりにしながら、深みある作品を制作していくとともに、書の魅力を多くの人に伝えていきたいと考えています。